和尚のミニ法話

2016/02/02

覚悟を示す

前々回の「正法御和讃」の続きです。「花の晨に・・・」はお釈迦様と迦葉尊者のお話しでした。
第2節の「雪の夕べに臂を断ち」についてお話しします。これは禅を中国に伝えた達磨大師とその二祖慧可(えか)禅師のお話しです。達磨大師は中国嵩山少林寺で面壁九年の坐禅修行をされておられました。そこへ慧可様が、教えを請うて弟子入りをお願いするのですが、大師は返事もせずただ坐禅をするばかりでした。大通2年(526年)12月9日、厳冬の雪の中、慧可様は自らの臂を切断し、求道の切なる思いを示されました。達磨大師はその覚悟に応えられ、正法をお伝えになられたというお話しです。
慧可様のこの覚悟がなければ、私たちはこうしてお釈迦様以来の正伝の仏法に遭うことはできなかったのです。
修行道場では、12月1日から8日まではお釈迦様の成道にちなんで坐禅三昧の接心修行をしますが、翌日の12月9日は慧可様の覚悟を自分にも置き換えて「断臂接心」を行うのです。
覚悟を示すには、内面だけの覚悟では人に伝わりません。身なりや服装を変えることが一般的です。慧可様の断臂とまではいかなくとも、頭を丸るめるとか、ひげを落とすとか、白装束をまとうとかですね。(号泣県議が頭を丸めたらしいですがどうも覚悟を示したのではなさそうですが)。当寺の智玄上座さんは永平寺上山に向けてさっぱりと浄髪しましたよ。