和尚のミニ法話

2014/01/16

雪かき作務 ・・・ 修行の提要

1月9日の夕刻からの雪は翌日・翌々日と続き、けっこうな降雪となりました。1月11日は、朝課後2時間の雪かき作務でした。後から後から降る雪で、夕方にまた1時間の作務となりました。誰かに代わってもらいたい気もするし、明日に伸ばしたい気もしましたが、道元禅師の逸話を思い出し、雪かき作務に精を出しました。

道元禅師が中国で修行しておられる時の有名な逸話です。『夏のある日、用という名の老僧が庭で椎茸を干しているところに出会いました。強い日差しが照りつけ庭の敷瓦は焼け付くような熱さです。老僧は杖をつき、頭に笠さえかぶっていません。背中は曲り、長い眉は真っ白です。老僧は一心に椎茸干しの仕事をしています。いかにも辛そうに見えました。お年を尋ねると六十八歳との返事です。そこで私は「どうして若い者に頼まないのですか。」と問うと、「他はこれ吾に非ず(他人にやってもらったら、私がしたことにならない)。」と言いました。私は、「たしかにその通りですが、もっと涼しい時にやったらどうですか。」と尋ねると老僧は、「更にいずれの時をか待たん(今やらなければ、いつやるのか)。」と答えたのです。私は自分が恥ずかしくなって何も言えなくなりました。そして修行の在り様を思い知らされた次第です。』(駒沢学園編「道元禅師の典座教訓」より)

今日は少し寒気が緩みましたが雪本番はこれからです。

写真は、定点観測(1月16日の様子)。本堂の屋根雪が落下してけっこう積もっています。